ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
(こんな面倒な男ついてる女を口説く奴いないだろ……)
ルーカスが用いた非情と名高い王太子ウィリアムを彷彿とさせる策略と、冷たい視線の圧に、若い公爵はすごすごと去って行った。
その後もレイラが男性に手紙を渡せば、ルーカスもセットで第二王子直筆、釘刺しお手紙を渡した。
第二王子直筆お手紙事件で、レイラへの引くほどの溺愛は皆の知るところとなった。レイラの心からのおもてなしに勘違いする輩は当初から排除することに成功したのである。
新婚夫婦の後ろについて回るアイザックは、ルーカスが手紙で男除けをしていることに見当がついていた。
後手後手に回りがちだったルーカスの先手。
これぞ両想いの男の余裕だ。
(色目使われる前に、先回り殲滅する男の戦略的余裕……え、男の余裕ってそういうことだっけ?信じて見守るとかじゃないんだ?さすがルーカス様ったら拗れてるー!)
アイザックは無駄口を叩かず、しっかり笑顔を貼り付けて二人に付き従った。