ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ウィリアムは颯爽と二人の元にやってきて挨拶を促す。ルーカスとレイラが完璧な挨拶を済ませるとウィリアムはうんと頷いて手の平を上に向けて前に突き出した。
「もちろん、僕ももらえるんだよね?お手紙」
「兄様、催促するものでもないと思いますが」
「みんなに配ってるって噂なのに、今日から本物の義兄さんの僕に手紙書かないとかないでしょ?」
ウィリアムの眼圧にレイラは腰が引けたが、ルーカスががっしり腰を抱き直してくれた。
散々罵られたレイラがウィリアムに臆するのは当然だ。レイラは細い息を整えて、最大限に表情筋を活用して微笑んだ。アイザックに手を出すと、アイザックがレイラの手に便せんを乗せる。
レイラが丁寧にウィリアムに手紙を差し出せば、ウィリアムがにっこり笑った。遠慮なく封を解く。
レイラの手紙は簡潔で『ルーカス様の隣に相応しくあるよう努力いたします。ご指導よろしくお願いします』と決意が書かれていた。
すぐに完読したウィリアムはにこにこを上昇させた。
「話せないことは君の最大の欠点だよ。でも活かし方でそれは、君の最高の個性だから」