ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
伝える努力を怠ったのはお互い様だ。レイラは自分を見せるのを怖がり、ルーカスに真正面からフラれるのを恐れ、すれ違いのまま死に逃げた。本当に甘ったれていた。
「だがもう、同じ過ちは繰り返さない」
3周目の今回、ルーカスが一緒に暮らそうと言ってくれた。積極的にレイラにぶつかってきてくれた。そんなルーカスのおかげで、今この想い合った時間にたどり着くことができたのだ。
レイラはルーカスの背に細腕を回して、精一杯の力で抱き返した。ルーカスはレイラの弱い力で抱き返された腕が愛しくて、たまらない。あふれる想いは全て伝えたかった。
「もし君が魔術を使わなかったとしたら、きっと俺が使っていた」
(ルーカス様が?)
「俺が自ら死ぬことになったとしても、
君の死を拒めるなら、また君に会えるなら、その方法に縋りついたはずだ」
レイラの青い瞳が滲んで涙があふれた。自ら死んだのは圧倒的な間違いであった。けれどルーカスが、レイラの死を拒むと語ってくれるのは、とてもレイラを高鳴らせた。