ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
愛に満ちた人形妻
朝を迎え、真っ白な身体のあちこちに、薄い桃色の傷跡をつけたレイラは支度を整えてルーカスの前に現れた。
ルーカスが手を差し出すと、真顔のレイラは手を重ねた。
「どこか体の調子が悪いところはあるか?」
ルーカスはイエスノー質問を繰り出す。
調子はどうかと聞けば答えを伝えづらいからだ。首を振ったレイラだが、首筋をとんとんと指で示す。
そこには傷跡の花が咲いていて、ルーカスは眉を顰めて耳を赤くした。身体は大丈夫だけれど、傷が残っていると伝わってきた。
「以後、見えない場所にするよう気をつける」
真顔のレイラだが、口角がルーカスにわかる程度2㎜だけ上がった。妻の機嫌は良さそうだ。
二人は手を取り合って、ルーカスの部屋に用意された遅い朝食を食べに歩いて行く。部屋の前に待機していたアイザックにルーカスが声をかけた。
「アイザック、成功報酬は後日支払う。今日はもう帰って良いぞ」
「ありがとうご、ざいました……」