ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
寝耳に水の言葉にルーカスは光速でレイラに顔を向けた。だが、レイラの後光まばゆい真顔を見てさっと視線を逸らす。
ルーカスはループしてます。
なんて大告白を受け取ったレイラより、婚約破棄の単語を受けたルーカスの方がよっぽど大騒ぎだ。
(レイラは俺と婚約破棄したがっていたのか?!)
ルーカスは地面に縋りついて泣きたくなるのを、第二王子の意地と誇りを持って耐えた。
(知らなかった。俺はそこまで嫌われてしまっていたのか、一体いつから?!)
顔面を両手で覆って泣き叫びたい衝動をなんとか抑え込む。
(確かに俺はうまく立ち回っているとは言えない。彼女が美し過ぎて会話もできない。恋文も書けなければ、デートに誘ったこともない。
なぜお前の部屋の隣なんかに私がいなくちゃいけないんだこの馬鹿野郎!と言われても無理はない!)
レイラの発言能力は終わっていると言わざるを得ない。だが、ルーカスもルーカスでレイラを前にすると言語理解能力が急降下してしまう華麗なる恋愛ポンコツ体質である。
レイラが無表情で顔面から何の情報も与えないために、ルーカスの中でついトゲトゲした言葉に変換される。
(レイラは俺と婚約破棄したかったのか。もしかして今まで2回ともそうだったのか?!)