ループ3周目の第二王子様！─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

お隣暮らしを強制した途端に婚約破棄を申し出されたルーカスは魂が抜けた。



（全く気がつかなかった……なんて愚鈍なんだ俺は）



無表情無言のレイラと、レイラの美貌に平伏して顔も見られないルーカス。



言葉が足りず、意思疎通術が稚拙過ぎる二人の会話はだいたい空中分解する。その末にお互いに不遇な結果を推論して自己完結。



そんなことをもう5年間も続けてきた二人である。


お互いに持て余してしまうほどの好意が伝わらない。

奥手不器用王子と無表情無言令嬢では、破滅が間近な状態だった。泣きたいくらい情けないルーカスだが、口をきゅっと引き絞った。



（だが、婚約破棄を望まれるほど嫌われていようと……レイラの命が優先だ）