ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
レイラに嫌われていても、レイラを救う使命が遂行する。
一年以内に死んでしまうレイラを、ルーカスは救いたい。
「君の気持ちは受け取った。婚約破棄は君の身の安全が確保されてから、改めて話し合おう」
ループしている理由は謎だが、なぜかこの身に舞い降りている彼女を救う好機なのだ。これを不意にはできない。
「だがとにかく今は、俺が安心できるまで俺の隣にいてくれ。不自由はさせないから」
眉を下げた険しい顔で立ち上がったルーカスは、静かに部屋を出て行った。やっぱり視線は一度も合わなかった。レイラは無風の鉄壁顔面でルーカスの背中を見送る。
(身の安全……昨日強盗に襲われたばかりです。私に何かあれば、婚約者の警護もできないのかと王太子様に叱られてしまいますものね)
昨日のパーティで、王太子がレイラに向かって「ルーカスの隣は失格」と言ったことを思い出して思わず息がつまった。
(私が強盗に襲われた騒ぎが落ち着いて、ルーカス様が安心されたら、婚約破棄ですね)