ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
レイラは自身の死や、ループの話を聞かなかったことにした。ルーカスが冗談を言うとは思えない。
だが、易々と信じることもできない話だ。
今はルーカスの言う通り「お隣暮らし命令」に淑やかに都合よく従うこととする。
無表情のまま、レイラは明るい窓の外にそっと視線を流した。ルーカスが退室し、戻って来た侍女がため息をつくほど優雅な仕草だった。
ルーカスの生真面目な義務感からだとしても。
強盗のせいでルーカスが婚約破棄を言い出せないだけだとしても。
(ルーカス様のお隣暮らし!嬉しいですわ!)
レイラは婚約破棄までのわずかな時間を、天から降ってきた幸運に酔い痴れてしまおう。