ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

もう5年も前から婚約者であるルーカスとは、月に一度きちんとしたお茶会を開き、そこで二人で「無言で」過ごす。



そんな関係だ。



真っ黒で艶のある短髪に、意志の固い深い紫色の瞳。ルーカスは立ち居振る舞いが常に正しく凛々しい、


この小国の第二王子である。



すらりと長身のルーカスが長い足を持て余して、お茶会では隣に座ってくれる。



会話がなくても、厳格で固く凛々しいばかりの横顔を見つめるだけでレイラは天にも昇るほどに嬉しかった。



だが、お茶会でのルーカスはいつも息苦しそうだった。



「レイラ……変わりはないか」



義務としてのこの会話が一度あるだけ。 


ルーカスはレイラの隣で何度も服の襟を直して、忙しく口に紅茶を運び、目が合うことは一切なかった。


一旦席を辞したルーカスがレイラの目が届かない場所で


「息ができない!」


と叫んで鬱憤を晴らしているのを、運悪く聞いたこともある。

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