ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
(寒いのはもちろん承知ですわ。あたたかくしていきます。ルーカス様はそんなことにまで気を配ってくださってお優しい上に……そしてその首傾げ!お可愛らしい!!)
レイラはすぐルーカス可愛い!に囚われてしまう。ルーカスは特別可愛い男ではない。すらっとした長身と黒髪で凛々しいと評されることが多く、男らしい精悍な顔立ちだ。
だがレイラにはルーカスがかっこよくて可愛くて全部ドツボだった。
「では、お手を」
ルーカスが立ち上がり丁寧にエスコートの手を差し出す。レイラは条件反射で文句のつけようのない所作で手を重ねて立ち上がった。
(あら?もう寝る時間かしら?)
「夜は冷えるから、バルコニーでいいか?」
レイラの渾身の一文「外に行きたいのです」を、今からお散歩したいとルーカスは受け取った。ルーカスは部屋の窓扉を開けて、レイラを外にエスコートする。
(極寒ですわ!!)
開けた窓扉から猛烈に吹きつける寒い風がレイラを突き刺した。なぜこんなに寒いところに出ることになったのかレイラはまるでわからなかった。
凍ってしまうほどの風が吹き抜けたので、ルーカスはすぐにレイラを部屋の中に引っ張り戻して窓扉を閉めた。
「気が済んだか?」