ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
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王立劇場で観客席に座ったレイラはそわそわしていた。観劇に来るのは久しぶりで、読んだばかりの小説の舞台化をすぐに観劇できるなんて幸運だ。
(私、幸せ過ぎてもうすぐ死ぬのだわきっと)
幸運ばかりが降り注いでいて、レイラはニヤニヤしてしまう顔をおさめなくては!と頬に両手を当てる。
だが、まったく顔は動いていないのでいらぬ気配りだった。
「レイラ様、今日は髪をまとめてるんですね。似合ってます」
二階席のソファに座るレイラの後ろに立つ護衛騎士が、爽やかな笑顔で話しかけてくる。
レイラの真顔にも緊張しないアイザック。レイラが王城に越してきてからぴったり張り付いている専属の護衛騎士だ。
「レイラ様のシルバーの髪、綺麗ですよね。手入れに何か秘訣とかあるんですか?」