ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


アイザックに馬車に押し込まれ、観劇を逃したレイラは不貞腐れていた。しかし絶賛真顔。


あいかわらず固い顔には何の情報も出ていないはずだが、アイザックは彼女の空気を察する。アイザックは空気を読むという高等技術の使い手だ。


「まあ、機嫌直してくださいレイラ様」


常に笑顔を絶やさず侍女の世間話に参加し、レイラの真顔にビクともしない。

アイザックは察し能力が究極に高い意思疎通術の「強者」だ。


つまり、脅威のコミュ強である。



「あの劇場はきな臭かったんで退避しましたが、お茶でもして帰りますか?いい店があるんですよ」


レイラがアイザックを見もせず返事もしないでいると、アイザックは勝手に馬車を店へと連れ行った。不貞腐れた女の扱いにも慣れている。


(あら、可愛いお店)


ずいぶんと可愛らしい装いの店に、レイラはつい絆されてすっかりお茶を堪能した。


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