ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
暴れるルーカスの力がフッと抜けて、辺りを見回す。抑えつけられていたルーカスの元にドレスを纏って、無傷で美しいままのレイラが走り込んで来た。
「レイラ!」
見るものすべての視線を奪いつくすレイラの登場に警備兵がうっとりした瞬間、ルーカスが屈強な彼らを押しのけて立ち上がる。ルーカスは両手を広げてレイラを迷わず胸にしまい込んで抱きしめた。
(ふわあぁあ!なんですのこれ、お帰りハグですわぁ!)
「無事でよかった本当に、俺はまた、間に合わなかったのかと」
口どころか脳内でも言葉を紡げなくなるほど興奮したレイラは、ぎゅうぎゅう抱きしめてくるルーカスの腕に幸せ殺されるところだった。
(恥ずかしくて死んでしまうので離して欲しいですけれども!でも実はもう一生離さないで欲しいですわぁあ!)
レイラは煩悩に正直だった。レイラの後ろをついてきたアイザックがふふっと笑った。
(なんだ、ルーカス様の強烈な片思いかと思ってたけど、ちゃんと両想いだ。安心しちゃったな)
レイラとルーカスがぎゅうぎゅう抱き合う様子をアイザックがにこにこ見守っていた。