ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

端然として麗しいが表情のないレイラが、機械的に涙を流していた。


すると突然、ガチャンと窓が割れる音が響いた。


(何かしら?)


涙が止まらず、頭がぼんやりしたままのレイラがゆっくり体を持ち上げる。


(あら?)



割れた窓から、人が入って来るところだった。身体の大きさからして男だと思われる。


(お客様……?)



レイラは状況の意味がわからず、ぽかんとした、つもりだったが華麗な無表情であった。


レイラの表情筋は仕事放棄が常だ。



夜中に窓からお邪魔しますなんてそんな人は初めて。何の御用だろうか。


「え?」


顔に布を巻きつけた男と、ベッドの上で固まって座っているドレス姿のレイラの視線が交わる。


お互いにえ?なんでここに?と変な間があったあと、その人が走り出して時間が動いた。



「静かにしろ!」



レイラの腹の上に男が飛び乗り、馬乗りになる。レイラは唐突な出来事に指一つ動かせず、男が首に突きつけるナイフの存在に意識を割いた。


びっくりが大渋滞して涙が止まった。


何の御用かしらと悠長に思っていた。だが、大層野蛮なご挨拶を経て、レイラは相手が強盗だとやっとわかった。


(私、殺されるのかしら?)

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