ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「繰り返した時間で、君の死を阻止するために俺は尽力した」
(これは先日のループのお話ですわね)
「周りの護衛を強化して、レイラを殺す犯人を探し続けたんだ」
膝の上に乗せたレイラの腰を抱き寄せて、ルーカスはもう2度も見てしまったレイラの死に顔が何度でも頭に蘇る。
「だが失敗してしまった……」
人を狂わせるほどの美貌は死んでも顕在するのだと、ルーカスは知ってしまっていた。ルーカスの背にレイラの死が常に纏わりつく。
「どうしても犯人が見つけられない。
今回こそはと、君を強引にこの部屋に連れて来たというのに。
また君は死んでしまうところだった」
口惜しさでルーカスの凛々しい顔が歪む。レイラはその辛い感情がにじみ出る顔に食い入った。
(そんな顔をなさるほど、私の死が……お辛いのですか?)