ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
(狂暴な可愛さでしたわ、ルーカス様……)
レイラは今日も図書館の推理小説棚を順番に制覇に挑戦中である。だが、今日はさすがに昨日の夜の抱っこ刺激が強すぎて、字が頭を素通りしていた。
図書館椅子に座って、ぼんやり同じページばかり眺めていると声が降って来た。
「隣に座ってもいいか?」
レイラが見なくても誰かわかる声に顔を上げると、ルーカスが朝のはにかんだ顔のままそこに立っていた。
レイラがコクリと頷くと、ルーカスが隣の席の椅子を引いて静かに着席する。
図書館は私語厳禁である。そもそも二人にまともな会話などないが、ルーカスが持参した紙と羽ペンを取り出した。
ルーカスは羽ペンで紙にスラスラと生真面目で頑固そうな整った字を並べていく。
『昨日はありがとう。おかげで落ち着いた』
昨日、が差す出来事にレイラは気恥ずかしくて顔が赤くなってしまう!ような気がしたが問題ない。今日も美しく整い過ぎた真顔が大活躍中だ。
ルーカスは紙を真剣に覗き込むレイラにクスッと笑って続きを書き出した。
『君が一緒に犯人を捜してくれたら、真実にたどり着ける気がする』