ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
夜になり、また同室寝に訪れたルーカスはソファでレイラと隣り合わせに座っていた。
すでに無言で30分は過ぎたところだが、ルーカスは悶々と考え続けていた。
(これは聞いて欲しいということでいいのだろうか……いや、でもかなり私的な部分に踏み込んでしまう)
今日はレイラの膝の上に手紙が乗っていた。見たことがない封筒だ。
ルーカスはレイラの周辺を徹底的に護衛するために、失礼ながらレイラ宛の手紙には全て目を通している。レイラを危険から守るためだ。そう、守るため。
ルーカスの検閲をクリアしたものだけがレイラに届く仕組みだ。
第二王子の婚約者と知りながらも、レイラを茶会に誘おうなどという不遜な輩からの手紙などは当然、レイラに届く前に破棄されている。
だが、レイラの膝の上に乗っている青い封筒には見覚えがない。
どうやってレイラの元に届いたものなのかルーカスは確かめる必要があった。だが、もし密会の約束など書かれていたら、レイラの目の前で破るわけにもいかず、読むだけ読んで返すのか。
(婚約破棄したい相手にでも、誠実に接してくれるレイラの前で醜態をさらすわけには、いや、でも)
もちろん、レイラからルーカス宛に書いてくれた?!なんてお花畑な発想はルーカスにはない。レイラが絡むととたんにポンコツになるのが第二王子の生態的特徴である。
どうすべきか、なんて考えているうちに時間は過ぎ去っていく。
埒が明かないルーカスはやっと覚悟を決めて口を開いた。いちいち遅い。
「レイラ、その手紙は誰からもらったんだ?」