ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ルーカスが執務机を両手でバシンと叩いて憤ると、アイザックはまたクスッと笑うだけだ。ルーカスは訳知り顔にイライラしてきた。
「失礼ですけど、殿下はレイラ様が関わるとあまりに視野が狭くなる傾向が」
「御託は良い。犯人を連れてこい」
レイラの髪の毛を飲みたいなどと書く輩を焼き潰したいルーカスが、アイザックに指示する。アイザックは腕を組んで片手を顎にやってうーんと首を傾げて考えた。
「お相手は俺より随分と身分が高い方で」
「何?」
「ただ連れてくるだけだとシラを切られる可能性があります。なので、現行犯で引っ張るのが確実です」
「ではそうしろ」
「殿下も来ます?」
犯人を取り押さえる現場を、ルーカスも是非とも拝みたいと思った。レイラに二度と近づかせないように名誉を叩き潰してやりたい気持ちが膨らみに膨らんだ。
「同行しよう」
ループ3周目にして初めて、レイラを救える可能性を手にした喜びにルーカスは胸が躍った。