ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


ルーカスは理解の範疇をゆうに超えていく未知の生物を見た。護衛任務以外でのアイザックの評価は急降下だ。まさかレイラにも言っているのではとルーカスが問い詰めようとした時、アイザックが指を差した。


「来ましたよ、彼女です」

「彼女?」


アイザックが示した場所には、ルーカス達と同じように本棚に身体を隠してコソコソとレイラを覗いている少女がいた。


長く綺麗な黒髪を高く二つくくりにしており、高級感溢れるふりふりドレスを愛らしく着こなしている。


ルーカスは深い紫色の瞳を丸くして、あんぐり口を開けてしまった。


「ベルじゃないか」

「はい、殿下の妹君のベル様です」


ルーカスがアイザックにマジ?と視線を送ると、マジ!とアイザックが親指をビシッと立てた。


「ベルが、レイラの……偏執狂だったのか?」

「偏執狂ってうまい言い方ですね」


ルーカスは三人兄弟の真ん中で、兄の王太子にまだ10歳の妹がいる。まだまだ可愛い盛りの妹、それがベルだ。

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