ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
強盗はレイラの部屋にある宝石を袋にガサゴソ入れている。


あの収集作業が終わったら、お次は可愛がって殺してくださるそうだ。レイラは淡々と思考した。



(正式に婚約破棄される前に、

ルーカス様の婚約者のまま死ねたら

それは幸運かもしれないわ)



縛られた手首がジンジンと痛んできた。



死ぬのは痛いのかもしれない。でも、ルーカスに婚約破棄されて、一人で生きていく方が圧倒的に痛い。



強盗にサクッと殺されてしまうのは、案外悪くないような気がしてきた。



なんてちょっとおかしなことを考えるくらいに、レイラはルーカスが好きだ。



(ルーカス様の隣を歩けない人生に、価値はありませんわ)



レイラが真っ黒な思考に浸っていると、いきなり部屋のドアが開いた。


レイラの頭の中の9割9分を占める男性が突如飛び込んで来た。



「レイラ無事か?!」

(ルーカス様?!)

「くっそ!」


邪魔が入ったと即座に判断した強盗は一目散に窓へと逃亡した。だが、またもや窓から人が上がってきた。見慣れないシルエットだが、月明かりが反射する剣を手にしている。



「はい、拘束ね!」



強盗と窓から上がってきた人が暗い部屋で絡み合ってドタバタしているのを、レイラは真顔で見つめていた。



(皆さん、ルーカス様のようにドアからいらっしゃって?)



立派な箱入り公爵令嬢のレイラは思考のペースも解釈も独特である。


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