ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「ベル、黙っていてはわからない。レイラに言うべきことがあるだろう」
ベルは兄の厳しい視線と大好きなレイラからの眩しい視線に、泣きたいやら嬉しいやらを混ぜた気持ちで黙っている。追いつめられたベルは両手でスカートの裾を掴んで大きな声を出した。
「お兄様が悪いんですわ!」
「またそれか。何を言っているんだ。悪いのはどう考えてもお前だろ。正式なルートを通さずに直接手紙を届けて。しかもなんだあの文面は」
「乙女の手紙を見るなんてお兄様、最低!」
「最低はお前だ。レイラがどんなに気に病んだと思っている」
(そんなに病んでいませんでしたが)
ルーカスは厳めしい顔を崩さぬまま切り捨てる。ベルは真っ赤な顔でルーカスを見上げて大きな瞳を潤ませた。
「お兄様のせいですの!お兄様が!お兄様が!」
「俺が何をした」
「いつまでたっても私をお姉様にご紹介してくださらないから!」
(お姉様?)
「お姉様とは誰だ?」