ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
アイザックの呼びかけに、レイラはコクンと頷く。
アイザックは恐らく本当に人の心が読めるのだとレイラは思い始めていた。レイラからすると異世界人なのかと思う超能力なので、少々怖いと感じる。
レイラはすっと端麗に立ち上がり、もめ続ける兄妹の元へ足をすすと進めた。石像のように動かないレイラが自ら動き出したことに兄妹の動きがふと止まる。
「レイラ、妹が本当にすまない」
「お姉様、ごめんなさい、私、私……その」
(もじもじしている姿も愛らしい!)
レイラはゆっくりとベルの前にしゃがみ込んだ。ベルの泣き顔を下からじっと真顔で見上げる。ベルはレイラの冷たくて綺麗過ぎる青い瞳からの熱視線に顔を赤くした。
「ごめんなさい」
ベルが心から謝罪すると、レイラはスカートを握り締めていたベルの手を両手ですくって握り締めた。レイラはもじもじしているベルを愛しく見つめて、今日の一文を生成する。
『ベル様のお気持ち、大変嬉しく受け取りました。個性的なお手紙が心に残っております。もしよろしければ、私などで良ければ、一緒にお茶をしていただけませんか』の意を込めて、聞いてください。
「ぜひ、お友だちに」