ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「お兄様はそういうところが愚鈍なのよ!こっちで和解してるの!黙っててちょうだい!」
「なっ」
レイラの首に抱きついたまま怒鳴ったベルがニタリと笑う。レイラもルーカスにもういいですと、首を小さく振った。ルーカスはレイラから意思には逆らえず、ぐっと飲み込む。
ベルはカラッと切り替えて、今まで抱きしめていたレイラに向かってニパッと花のように可愛らしく笑った。自分の魅せ方をよく知っている笑みだ。
「お姉様、今日から一緒に夕食をとりませんこと?私、前からお姉様と一緒に食べてみたかったのですわ!」
(ななななんて素敵なお誘いなの!?)
レイラは顔がふにゃふにゃになってうんうんと頷いた、つもりだが、今日も輝かしい鉄仮面だった。しかし頷いたイエスをもらったベルはレイラの手を引いてルーカスの自室を出て行ってしまう。
レイラも可愛い妹ができて嬉しくて、ふわふわしながら小さなその手に導かれていく。
「じゃあ、愚鈍なお兄様。御機嫌よう」