ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

バタバタ暴れるベルをまさしくお姫様抱っこして、アイザックが退席する。


「離しなさいアイザックぅう!!」

「すみませんベル様、ルーカス様の命令の方が優先順位上なんで」


レイラは真顔で教本に乗っているほど出来の良いお手振りでベルたちを見送った。


レイラは顔が緩んでいるのではと心配になってしまうが、大丈夫。今日も絶賛真顔。


「レイラ、少しその、話してもいいか?」


お邪魔虫の妹が去って静かになった部屋でルーカスが咳払いする。レイラはコクンと頷いた。レイラにはイエスとノーがはっきりできる問いを投げることが、ルーカスもできるようになっていた。


ベルやアイザックがレイラに次々、次々と話しかけるのを見ていたルーカスは、だんだんとレイラとの意思疎通の取り方を覚えてきた。騒がしい妹とコミュ強の護衛騎士が目障りではあるが、学ぶことはあった。


レイラが優雅にソファに座り、ルーカスも隣に座る。


「青い封筒の件は解決したが、他に何か気がかりはないか?その、君を殺す犯人の、だが」

(ハッ!最近ベル様と遊ぶのが楽し過ぎて、犯人についてすっかり忘れていましたわ!)

< 98 / 268 >

この作品をシェア

pagetop