恋は千年、愛は万年。
到着した屯所は、意外とこじんまりとしていた。
まだ活躍途中だし、移動もしてないし、新撰組じゃないし仕方ないんだけど。
ん?なんでスラスラと未来が視えるのかって?
未来から来たとかじゃないけど、未来視の能力を持ってるんだよね。
僕の正体や秘密は追々話すことになるだろうから、その時までお預けで。
屯所の入口には、3人の美丈夫が屯していた。
大中小と見事な背の順。
僕とソウ君は、ソイツ等と鉢合わせした。
3人が門のところを塞いでいたため、必然的に僕達は立ち止まった。
「お、総司じゃねぇか!
また巡回勝手に抜けたんだろ?
また副長に絞られんぞぉ!」
馬鹿でかい身体を持つ男がガハハと大笑いしてソウ君に絡んだ。
巡回抜けたの!?何してんの!?
聞いてる此方が驚くがな。
「別に怒られようが構いませんよ」
ソウ君は無の表情で切り返す。
声が氷みたいに冷たかったブルブル。
てか、対応が雑過ぎるでしょ!
仲がいいのか悪いのか分からない二人の温度差にうーん?と首を傾げていたら、標準身長と低身長の男と目があった。
「随分と綺麗な奴連れてんじゃん。
恋人かぁ?隅に置けねぇなぁ」
「ねぇ、総司!誰この美人!?」
わっと詰め寄られ、僕は目を点にした。
おぉ、美丈夫が目の前に。
ソウ君は心底鬱陶しそうに二人を見ると、
二人から守るように僕を後ろに押しやった。
「知り合いですよ。
というか、私は男色じゃないので、
気色悪い想像をしないでくれませんか」
この時のソウ君の目は人一人殺せそうな目をしていたという(後日談)。
って、ん?男色ってなんぞや??
「「す、済みません…!(てか、男だったんだ)」」
ソウ君から溢れ出るドス黒いオーラにビビった二人はスゴスゴと離れていった。
うーん、ソウ君、見ない内にお腹が真っ黒になっちゃってるや。
イカスミでも食べたのかなぁ。
その間、でかい男は、僕をジッと見てはいたが特に話しかけてくることはなかった。