恋は千年、愛は万年。

其三




夕餉の時間が終わった頃。

僕と幹部達だけ広間に残った。

うーん、何の話だったっけ?


「今から、アキの担当を決める話し合いをする」


トシくんがキリッとした表情で話し始める。

あぁ、そうそう、小姓ね。

僕が誰に付くかとか、そんな慎重に決めなくても良くないかな?

ゆうて只の世話係だよ?


「まずは自己紹介からした方が良いのでは?」


少し関心が無さそうな顔をしている焦げ茶色の髪の大人しそうな男の人が手を上げた。

白い肌は病的で、整った顔も相まって女性的な見た目をしている。

わぁ、美形の集まりかな?ここは。


「確かにそうだな。
 上から挨拶するか」

トシくんから近藤さんにまず視線を移す。


「私は近藤勇だ、ここの局長を務めている。
 よろしくな、アキくん」

『よろしくお願いします』


優しく微笑まれ、やんわりと微笑み返した。

次にトシくんに目を向ける。


「俺は土方歳三、ここの副長だ」


知ってるぅ、と思いながら、サラッと礼を返した。

その次は、さっき手を挙げた人だった。


「私は総長の山南敬助と言います。
 どうぞよろしくお願いします」

笑顔こそなかったものの、丁寧な口調と優美な振る舞いに僕は少し感心しながら笑顔で礼を返した。

僕なんかに敬意を払ってくれるなんて良い人だ。

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