恋は千年、愛は万年。
芹沢さん達にもご飯を作るようになり、僕の仕事はカサ増しした。
料理を作ること自体は良くても、数が多いんだよね…。
切実に分身がほしい。
一体だけでもいいからぁあ!!(泣)
あんな命令なんて迷わず断れば良かった、と後悔したが、今更遅い。
外で大量の洗濯物を干していたら、後ろから芹沢さんの声が聞こえた。
「アキ、飯美味かったぞ」
振り返れば、珍しくご機嫌な芹沢さんの姿があった。
今は昼下りで、隊士の殆どは剣の稽古中だから辺りに人はいない。
あーあ、トシくんに二人きりになるなって言われたのにな。
早速約束破っちゃった。
…って、あれ、芹沢さん、今日は島原へ行ってないんだ?
いつもなら昼間でも構わず酒に溺れて暴れているのに変なの。
“本来”の流れと若干違うような…。
まぁ、深く考えるのは止そう。
芹沢さんは、ハタハタと揺れる洗濯物の間を縫って僕の近くまで寄ってきた。
料理への褒め言葉は嬉しいけれど。
美味しかったですか、そうですか。
おかげで僕は大忙しで大変なんだけどな!?