恋は千年、愛は万年。
忙しい日々を過ごしていたある日。
トシくんにより、一日の休暇を頂いた。
事のきっかけは、トシくんに呼び出されたことから始まる。
廊下を歩いていたら、隊士の一人に声を掛けられたのだ。
「アキさん、土方さんがお呼びでしたよ」
トシくん?
『ありがとう』
教えてくれた隊士にお礼を言いながら思考を巡らせる。
僕、何か呼び出されるようなことしたっけ?
芹沢さんに毎日のように絡まれている件とかかな?
理由は教えられないまま、僕は、トシくんの元へ向かうことにした。
あ、そうだ。
部屋に行く序でにトシくんへお茶を淹れていこう。
媚びは売れるときに売っとかなきゃなぁ。
僕、胡麻すりの達人になれるかもしれない。
そして、トシくんの部屋に直行し、淹れたてのお茶を手渡した。
頼まれなくてもやる僕って優秀でしょ?
喜ぶかと思いきや、トシくんは眉に皺を寄せて僕を見る。
なぬ、僕の気遣いが不快だとでも!?
折角トシくんが好きな濃さで入れたのに。
ムッとする僕を見て、トシくんは大きな溜息をつきながら、「ありがとよ」と労いの言葉をかけ、お茶を受け取ると話し始めた。