恋は千年、愛は万年。



いやいやいや。


『…そりゃ使うでしょ!

 使わなきゃやってらんないよ!!』


本名で花魁やれるかぁ!

僕は今一応男なんだぞ?!

ソレが吉原で女装に接待なんて、どんな噂や二つ名が流れるか分からないのに!!

場合によっては二度と京の町を歩けなくなるんだからね!!!


半ば切れたらトシくんが珍しく動転していた。


「お、おぉ…」


「そう怒りなさんなや、紅王」


参入した声に固まる。

後ろを振り返ると懐かしいその人が。


『え、あ、…』


モト ヤトイヌシ が アラワレタ。


恐ろしや、僕の元教育係。

または、僕の名、“紅王”のを与えた人で。




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