恋は千年、愛は万年。
恋人の梅、と聞いて僕は内心胸が騒いだ。
それは、歴史が進む合図。
あぁ…、残酷なまでに、時が流れて行く。
『何故?』
一介の小姓を呼び出して恋愛相談なんて頭沸いてるんじゃないの?
「貴様くらいしかまともに話せる輩がいなくてな」
珍しく塩らしい芹沢さんに見えないように鼻で笑う。
でしょうね。
普通の人が芹沢さんの威圧を前にして、平然と恋愛話なんて出来なかろう。
この相手がもしトシくんとかだったら
即ブチ切れてるだろうなぁ。
「女が喜ぶのは金だろうか、それとも夜の奉仕とかだろうか」
真剣な顔で下衆な発言をする芹沢さん。
『…はっ?』
僕は開いた口が塞がらなかった。
「どう思う、アキ」
どう?どうって、そりゃ…、
『ばっかじゃないですか!!?』
拳をバンッと畳を思い切り叩きつけて、言った。
「っ!」
芹沢さんは怒鳴られることには慣れていないのか肩を揺らしていた。
金か身体かとか単純すぎて気色悪い。
恋愛舐めてんじゃねぇぞ、コイツ。
『どっちも廃却、棄却、焼却!!』
ドンドンドンと息を吐く間も取らせず攻める。
「なっ」
心外だ、と言わんばかりの芹沢さんに僕はどす黒い笑みを向けると口を開く。
そこまでのクズとは思わなかった。
真顔で問題発言言ってのけるあたり、最早真性のクズと言っても過言ではない。
これは、徹底的に指導…要るよね?
『その腐れた脳みそ、僕が塗り替えて差し上げますよ…?』
「…!?」
その後、逃げようとする芹沢さんを強制的にでも捕まえて、女の扱い方について講義を説いた。
え?捕まえた方法が知りたい?
…秘密!