恋は千年、愛は万年。
「貴方がアキはんなん?」
買い物帰り、呼ばれた声にふと振り返るとその人がいた。
『…はい?』
思わず答えちゃった。
その人は、遊郭にいり美女にも劣らぬ麗しい女性だった。
何ていうか色白で艶めかしい体つきで、凄く魅力的。
誰なんだろう?
食料が入った籠を抱えて首を傾げる僕にその女性は「芹沢はんが言うだけあって綺麗な子やねぇ」と朗らかに笑う。
芹沢、さん…。
芹沢さんと知り合い、女性、ってことは、まさか…。
「うち、芹沢はんと恋仲の梅ゆうんやけど。
貴方にどうしてもみたかったんよ」
予感的中。
ずいっと迫ってくる美女に、僕は気の抜けた返事を返した。
『はぁ』
梅さんは大人な女性の見た目とは裏腹に、乙女のような可憐さ満点だった。
えーっと、道端で上司の恋人に会った場合、どう接したらいいんだ?
気まずくて言葉数が減る僕に梅さんは明るい笑顔で話をしてくれた。
「芹沢はんに説教してくれたんやろ?」
『…え、あぁ、まぁ…』
あのクズさには呆れたけど。
よくあんな人と付き合おうと思ったよね。
その疑問をさりげなく質問したら。