恋は千年、愛は万年。
途中で、最近仲良くなった八百屋の店主に食料を預けておいた。
大切な皆の夕餉の分だし、駄目になったら困る。
今、全速力で走っているけど逃げてるわけじゃない。
流石に敵引っ付けたまま屯所には帰れないからね。
乱闘騒ぎは避けたい、そして壬生浪士組の敵は減らしたい。
皆の敵は、僕の敵。
だから、これくらいのことは自分で処理しなくっちゃ。
「おい、待て!」
「逃がすな!」
誰もいない路地へ入り込んで、僕は足を止めた。
5、6人が追ってきているな。
さて、どう退治してあげようか?
「…っ、てめぇ、ちょこまかと逃げやがって…!」
「壬生浪の人間だろ、情報吐けや!」
「ソイツ囲め!」
情報ねぇ、それが目当てか。
長州かは知らないけど、予想は当たらずとも遠からじって感じ。
追いついた奴らに、あっという間に四方を囲まれて行き場を失う。
更に、助けなんて来ない、絶望的な状況下。
僕は笑みを崩さなかった。
久々の戦闘にワクワクしている自分が我ながら恐ろしい。
血が騒ぐ、ってヤツ?
どうしようか、殺すのはいけないから…。