恋は千年、愛は万年。
いつも通り、夕餉を作り食器を洗って片付けて、仕事を終えた。
そして、湯浴みをしていた僕は。
「はぁー、きっもちいい…」
のほほんとお湯で髪や身体を洗っていた。
誰も来ない時間帯だし、ちゃんと入ってこないように板をかけてるし、安全に欠落はない。
洗い終わると身体を拭いて、胸に晒しを巻く。
くーるくるっ。
そんなに隠すほどの胸はないけれど、念には念を入れておくのだ。
着替えが一通り済んだ頃。
トントンと風呂場の戸が叩かれた。
『はぁい』
板を外して開けると、風呂場に充満していた湯気が逃げていく。
湯気が消えた先には衣服を持った一さんの姿があった。
あー、熱る顔を見られるのは恥ずかしいなぁ。
一さんは何故か顔を真っ赤にして僕を見ていて。
「(色気が…!!)」
声にならない声が聞こえる気がした。
『お次どうぞ〜』
赤面のまま呆けている一さんに、僕は笑顔でそう言うと衣服等を抱えて風呂場を後にした。