恋は千年、愛は万年。
ー「アキ」
愉快そうに笑う芹沢さんのことを、思い出してしまって。
あの人は僕のことこき使う酷い人だ。
でも、本当は…とても優しい人。
ー「アキはん」
僕なんか比にもならないに綺麗で、笑顔が愛らしい梅さん。
いつも会う度に、僕に沢山色々な話をしてくれて、楽しい時間をくれて。
思い出す程に、ポタポタと目から雫が零れ落ちた。
あぁ、駄目だ…。
一度流れたソレを、止められない。
ー…止める術を、僕は知らない。
『…っ!』
声を押し殺し、膝に顔を埋めた。
駄目だ、こんなことで泣いたら駄目なのに。
失うことには慣れているはずのに。
何でなんだ。
どんなに生きて、別れを経験しても。
救けられずに誰かが死んでいくことに、
誰かを失う痛みに、耐えられない…っ!
一頻り泣いた後。
ぐちゃぐちゃになった顔をソウ君に見られたくなくて、ソウ君が帰ってくる前に就寝した。