麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑧/発熱の果実たち、迷宮へ…!
龍虎、第2章へ…/その9
ケイコ
「…そうか。ケイコ…、そうなら、俺も少し突っ込んだところを話そう」
ここで相馬会長の顔が明らかに変わった…
ここからまた、更なるリアルな話になるのだろうか…
相馬さんは目の前のグラスを手にして、水割りをのどに流し込んでいる
そのわずかな間、池の水から漏れ聞こえる無音の鼓動…
なんかそれ、私の心の奥深くに染み込むような感覚だった
次にこの人の口から飛び出す言葉
それを待つ時間の心の姿…
そして声のトーンが低くなった相馬さんの言葉は、再び私の両耳に届いた
...
「…俺が麻衣と出会い、今みたいな後ろ盾になったのは、アイツをこの都県境で思いっきり暴れさせて、自分が若い頃のようにもう一度、この血を湧き立たせたかったからだ。だが、厳密にはそれだけじゃなかったな。さすがに最初は麻衣がここまでやれるとは思わなかったから、さほど執着はなかったが…」
これは…、麻衣に相馬さんが求めたもの…、それが何であったかの告白になるのだろう
「…だが、麻衣は俺のイカレ具合にどんどん近づいてきてな…。とどまるとこを知らなかった。そこまで来た段階で欲が出た」
”欲”…
この一字がどうやら私につながってくる
私は咄嗟にそんな予感に襲われた
...
「もし、この麻衣に本気で真正面から一撃を加えることのできる少女が現れたら…。俺はまるで少年のように、そんな少女の登場を待ち焦がれた。だが心の中では、今の麻衣とまともに”対峙”できる娘などいるもんかと決めつけていたわ。ふふ‥、それが見事に裏切られたよ、ケイコ…」
「…」
「麻衣は猛る女が跋扈するこの地で、飛び切りの少女と巡り合い、自分に振り向かせた。ヤツからすれば、お前は千年待って面と向かえた運命の恋人みたいなもんだろうと思う。何故だか俺には、すっと麻衣のその気持ちが入ってくるんだ。だから火の玉川原で戦った後のお前たち二人もよう、俺にはまるで映画のフィルムのように脳裏に映りだされてる。その先もぼんやりとはな…」
「麻衣と私は、どこに向かうって言うんですか!一体どこへ…」
「ケイコ‥」
私は思わず大きな声をあげていた
そして、会長は私の顔を目を細めて見つめていたよ…
ケイコ
「…そうか。ケイコ…、そうなら、俺も少し突っ込んだところを話そう」
ここで相馬会長の顔が明らかに変わった…
ここからまた、更なるリアルな話になるのだろうか…
相馬さんは目の前のグラスを手にして、水割りをのどに流し込んでいる
そのわずかな間、池の水から漏れ聞こえる無音の鼓動…
なんかそれ、私の心の奥深くに染み込むような感覚だった
次にこの人の口から飛び出す言葉
それを待つ時間の心の姿…
そして声のトーンが低くなった相馬さんの言葉は、再び私の両耳に届いた
...
「…俺が麻衣と出会い、今みたいな後ろ盾になったのは、アイツをこの都県境で思いっきり暴れさせて、自分が若い頃のようにもう一度、この血を湧き立たせたかったからだ。だが、厳密にはそれだけじゃなかったな。さすがに最初は麻衣がここまでやれるとは思わなかったから、さほど執着はなかったが…」
これは…、麻衣に相馬さんが求めたもの…、それが何であったかの告白になるのだろう
「…だが、麻衣は俺のイカレ具合にどんどん近づいてきてな…。とどまるとこを知らなかった。そこまで来た段階で欲が出た」
”欲”…
この一字がどうやら私につながってくる
私は咄嗟にそんな予感に襲われた
...
「もし、この麻衣に本気で真正面から一撃を加えることのできる少女が現れたら…。俺はまるで少年のように、そんな少女の登場を待ち焦がれた。だが心の中では、今の麻衣とまともに”対峙”できる娘などいるもんかと決めつけていたわ。ふふ‥、それが見事に裏切られたよ、ケイコ…」
「…」
「麻衣は猛る女が跋扈するこの地で、飛び切りの少女と巡り合い、自分に振り向かせた。ヤツからすれば、お前は千年待って面と向かえた運命の恋人みたいなもんだろうと思う。何故だか俺には、すっと麻衣のその気持ちが入ってくるんだ。だから火の玉川原で戦った後のお前たち二人もよう、俺にはまるで映画のフィルムのように脳裏に映りだされてる。その先もぼんやりとはな…」
「麻衣と私は、どこに向かうって言うんですか!一体どこへ…」
「ケイコ‥」
私は思わず大きな声をあげていた
そして、会長は私の顔を目を細めて見つめていたよ…