竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「クリス……」
最後につぶやいた名前は、誰のものだったかしら。
同じ色だからダブって見える面影は、かつて愛した一番大切な子供のもの。
似ているだけ、よく似ているだけなのに。
それでもその色に手を伸ばしてしまったのは、酸欠の脳が夢を見たかったからかもしれなかった。
最後に見たのは、苦しげに自分を見つめる緑色の双眸。
その記憶を終わりにして、エリナの意識は涙とともに暗転した。