竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「人間貴族、という呼び名と、実際の待遇に差があったことが問題だったのです。その人間貴族のご令嬢は、さきの竜王様の番様の嫉妬を受けて殺されてしまったのです」
「嫉妬……?」
「はい、大きな声では言えませんが、先王様の番様はとても嫉妬深い性格をしておられました」
「ああ……」
番は魂で決まる。だから、番自身の人格は番の選定に左右されない。
先王の番というとカヤだろう。自分以外にも嫉妬の目を向けていたとは驚きだ。
「それで、先王の番の指示で、そのご令嬢は殺された?」
「はい」
「でも、ただ育ての親というだけで、そこまで……竜種の常識を変えるほど、尽くすものかしら」