竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
リーハも昔はまともな王だったらしい。
カヤに出会って、愚王となったリーハ。今は、70年の拷問の末に、リーハは死に体となり、カヤは狂った。
それでも――それでも、守ろうとするのだ。
クリスは、奥歯を強く噛んだ。許せない。今、この言葉を聞いても、この無様なさまを見ても、許そうと思えない。
だが、リーハは、もしかすると、恋した相手がエリスティナでなかった場合のクリスだったかもしれないと思ってしまった。
クリスは、絞り出すように言った。
「これから、お前と番を引き離して幽閉する」
「あ――」
「許すのではない。お前はもう間もなく死ぬだろう。最後に、番と引き離される苦しみを味わって、死ね」
「あ――ああ――、カヤ、カヤぁ……」