竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「起きたのね。あなた、そこに倒れてたのよ。ちょっと引きずっちゃったから、ぶつけてるかもしれないけど」
気まずそうに目をそらしながら、エリスティナの生まれ変わりは指先どうしをつつき合わせた。
言われてみれば確かに、額が擦り切れているような気がする。だが竜種であるクリスにとって、この程度の怪我は怪我のうちに入らない。数分もしないうちに完全に癒えるだろう。
「起きたならここに座って?古い椅子だけど、クッションは私が作ったの。かわいいでしょ?」
小さな、一人分だろう食事用テーブルに案内されて、座るように促される。
座ったクッションは年頃の娘が好むような白い花柄で、彼女は手先が器用なのだな、と思った。
そういえば、エリスティナも古い布からクリスの服を作ったりしていた。