竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
エリナを好きだと思ってしまう。
エリスティナを愛しているのに、今もそれは変わらないのに、目の前の自分の番に対する愛情が膨らんでいく。
リーハのようにならないと決めたのに、番だからエリナに恋をしてしまう。
そんなのは嫌だった。
――エリナのことを思うなら。
そう、エリナの幸せを願うなら、今すぐにここから立ち去って、関わらぬように生きなければいけない。番という呪いに、エリナを巻き込めない。
――僕は、僕から、あなたを逃がしてあげなくてはいけない。
「……ありがとうございます」
「でも、あなたを呼ぶとき困るわね。……ううん、そうね、あなたのこと、クーって呼ぶわ」
「クー?」
「昔の知り合いの名前からとったの。あなたと目が良く似てるから、クー。いいでしょう?どうせご飯を食べて帰るまでだし」