竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

 それを聞いてしまったから、それが、かつて何度も自分以外に向けられていた甘さを孕んでいたから、エリナは泣きそうにくしゃりと顔をゆがめてフルフルと首を横に振った。

 竜種の城からお呼び出しがかかって、その呼び出しを断って暮らしていたのに――平凡な暮らしを謳歌していたのに、また前世のように竜種のごたごたに巻き込まれるのか、と思った。

「エリナ、あなたを幸せにしたいんです」
「私の……私の幸せは、あなたの隣にはありません……」
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