竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
いつだって言い聞かされてきた。
エリナは誰かの代わり、エリナはそう言う風にしか生きられない。
かくん、とその場に膝をついたエリナの頤をくい、と持ち上げ、フードの人間はけらけらと、まるでとても面白いものを見るかのように笑う。
「あの雛竜にとっても、お前は親の代わりでしかない」
「知ってるわ……」
「親代わりにも関わらず、お前はあの雛竜を死なせた。お前が守れず死んだからだ」
「く……りす……」
目の前に浮かぶのは、エリスティナを呼んで泣きじゃくるクリスの顔。
死んだ、そう、そうだ、クリスは死んだ。
エリスティナの愛しい、かわいい、いつくしむべきクリスは、エリスティナのせいで死んだ。
そう、この鐘がいつも教えてくれる。
エリナが、己の罪を忘れるたびに、何度でも思い起こさせる。
エリスティナの愛は、あの日に死んだ。エリスティナのせいで。
エリスティナが――死なせてしまった。