竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

「エリー……」
「――いやあ、陛下の番、どんなお方かなと思ったけど、無駄遣いしなさそうだし、いい子そうだし、なによりこの綺麗な魂が素敵だ!陛下、君の番はかわいらしいねェ!」

 その時。
 部屋のドアをバン!と開けて、文字通りふわふわと飛んでやってきた影があった。
 エリナは目をぱちぱちと瞬き、クーがげ、という顔をする。

 うっすらその姿を透かした透明なもや――いいや、竜種だ、竜種が、見る見るうちにひとの形をとってその場に降り立つ。

 銀糸のような髪を肩口で切りそろえた、銀灰色の目にモノクルをかけた、飄々とした青年――のように見える竜種は、エリナを見てにっこりとほほ笑んだ。
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