竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「はじめまして!私のこと気になる?気になっちゃう?気になっちゃうって顔をしているね!教えて差し上げよう!私の名前はエルフリート!ちょっと珍しい精霊竜!前の竜王の時代からひたすら仕事を押し付けられてきたかわいそうな宰相さ!」
「エルフリート、タイミングを考えろ」
「おやおや陛下!この上なく考えたつもりさ!ドアの外にはあたたかい食事を用意したメイドたちが列をなし、冷めるのも時間の問題だと泣いている。君らはまだ話すつもりみたいだし、今現れないでいつ現れるっていうんだい!」
両手を広げて仰々しく礼をしたエルフリートと名乗った青年は、驚くエリナを見て一瞬だけ目を細めたように見えた。
眉を下げて、申し訳なさげな顔をして――けれど、次の瞬間にはまた笑顔に戻っていて。
クーとそう年が違うようには見えないのに、前竜王の時代から宰相をしている、といったエルフリート。竜種の年齢はわかりにくい。
……いいや、精霊竜だからだろうか。
精霊竜は長い時を生きて国を守る守り神のような存在だと伝えられている、物語の存在だ。実在するなんて思わなくて、エリナは口を押えた。
「エルフリート、タイミングを考えろ」
「おやおや陛下!この上なく考えたつもりさ!ドアの外にはあたたかい食事を用意したメイドたちが列をなし、冷めるのも時間の問題だと泣いている。君らはまだ話すつもりみたいだし、今現れないでいつ現れるっていうんだい!」
両手を広げて仰々しく礼をしたエルフリートと名乗った青年は、驚くエリナを見て一瞬だけ目を細めたように見えた。
眉を下げて、申し訳なさげな顔をして――けれど、次の瞬間にはまた笑顔に戻っていて。
クーとそう年が違うようには見えないのに、前竜王の時代から宰相をしている、といったエルフリート。竜種の年齢はわかりにくい。
……いいや、精霊竜だからだろうか。
精霊竜は長い時を生きて国を守る守り神のような存在だと伝えられている、物語の存在だ。実在するなんて思わなくて、エリナは口を押えた。