竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
 だから、ずっとひとりでいい。
 エリナは今、決意した。逃げてしまおう、と。
 エリナは、恋をしたくないから逃げると決めた。
 それがどれほど勝手なことか、わかっているつもりだ。

 それでも、恋をしてしまえば、きっとエリナはクーも、やさしくしてくれたダーナや、知りあって間もないエルフリートのことも傷つける。
 そう思って、エリナはクーの、心配そうに細まった視線から逃げるように顔を伏せた。
 その様子を見て、苦しげに顔をゆがめたクーの変化には、気付かなかった。
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