竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
クリスが手のひらに力を込める。煌々と輝く緑色の光は、クリスの瞳と同じ色。
それをまぶしげに見ながら、エルフリートはさみしそうにつぶやいた。
「たくさんの竜王を見て来たよ。道を間違ったもの、正しかったもの、幸せな結末を迎えたもの、己の愚行のせいで悲惨な最期を迎えたもの」
クリスの魔力が地に落ちる。地面から、疾風のように駆け抜ける魔力がわずかな光を放って国全体に広がっていく。
「君たちには幸せになってほしいからね。私にはこれくらいしかできないけれど……がんばるんだよ」