竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

 かっと、目の前がまぶしさに包まれる。その光の奔流の中を、クリスの意識は駆け抜ける。
 城の内部、森の跡地から、城下町へ――。視界を巡らせるように、クリスは呪いの根源を――魔法陣を描いた術者を探した。

 そうして、はやてのように駆けるその最中、黒い髪をしたフードの女を見つけた。
 ――この女か。
 クリスは国土全体と一体化した己の魔法回路を、その女一点へ向けて収束した。
 閃光が、刃となってかける。

 ぱっと散ったのは、女の精神のかけら。魔力を削り取り、致命傷となりえる一撃を受けた女は、思い切り地面にたたきつけられ、けれどそれでも消滅はしなかった。
< 237 / 315 >

この作品をシェア

pagetop