竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
クーが再び笑顔になって、エリナの頭をやさしく撫でた。
あたたかな手のひらは。エリナのそれより少しだけ体温が高い。
「たった、それだけで……」
エリナの、つぶやきのように落とした言葉に、クーは笑みを返す。
エリナが不思議に思うことを、予想していたような態度だった。
「はい。たった、それだけ。それだけです。でも、その一瞬で、僕はあなたを愛してしまった。僕はあなたを愛しています。……あなたに、恋をしている」
「嘘よ。証明できるの?きっと、番だから色眼鏡で見てたんだわ」
「証明はできません」
クーは静かに言った。
目を伏せて、閉じて、息をして。吸った息を一息に吐いた後、ややあって、エリナに向き直った。