竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

「どうしてエリー以外に傅く必要がある?エリーはこの世界で最も尊い存在だが、ほかは違うだろう」
「開き直りありがとう。そうだよねえ、君はそういう生き物だ。……とにかく、先だって君が呪いの主に攻撃を仕掛けたとき、与えたダメージは相当なものだったはずだ。少なくとも、今番様の体に染みついている呪い以外に新たなものを重ね掛けされるということはない」
「……しばらくは、危険はないと?」
「いいや」

 クリスの問いに。エルフリートはわかっているはずだ。と目を細めた。
 クリスは首肯して、そうだな。と続けた。

「それでも、エリーの体に残っている呪いはそのままだ。むしろ、大元が姿をくらましてしまった以上、次の出現を待たねばならなくなった。呪いの根本的な解呪には、カヤの姿をしたアレを消滅させることが必要だ」
「そうだね」

 エルフリートが椅子のひじ掛けに頬杖をついた。
< 251 / 315 >

この作品をシェア

pagetop