竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「一応、私のダーナがそばにいるんだけど、といっても、君は納得できないんだろう。なにせ番のことだからね」
「お前は番に淡泊すぎるんだ」
「そりゃあ、いくらかは淡泊になるさ、何周目だと思っているんだい?精霊竜の一生は長いんだ。ダーナも何度も生まれ変わって来た。しめつけてばかりじゃかわいそうじゃあないか」
そう言ってほほ笑むエルフリートは、自身の番であるダーナのことを考えているのだろう。
ダーナ、と名前を出しただけで、その目はやさしげに細まった。
長く生きて来た余裕、というべきか、そういうものを感じ取って、クリスはぐ、と奥歯を噛んだ。少し悔しい気持ちになって。
「まあ、私も君に気配消失の魔術をかけてあげるよ。それでだいぶましだろう。まあ、君は存在感が大きすぎるから、君も気配を消すように頑張らないといけないけれどね」
「……善処する」
「ああ、いつになっても竜王ってのは難儀なものだよねえ。リーハもだけれど、君も。……私は、君たちが間違わない限り、君たちの味方さ」
「それは、お前の番に危害を加えるかどうかという話だろう」